コロナウイルスの伝播

下の論文によると,新型コロナウイルスによく似たSARSr-CoVがある一群のコウモリ(キクガシラコウモリ属)から見つかっていて,遺伝子の内Sタンパク質の遺伝子だけがかなり異なっているそうです.

 

https://journals.plos.org/plosbiology/article?id=10.1371/journal.pbio.3001016

 

このウイルスはヒトには感染せず,SARS-CoV-2もこのコウモリには感染しないので,Sと宿主受容体ACE2との親和性からはセンザンコウには限りませんが中間宿主が居て,両方のウイルスの伝播とSタンパク質の遺伝子の組み換えを媒介する戦略を取っているのではないかという議論でした.面白いですね.

 

話は変わりますが,尾身さんはワクチンでポリオを撲滅したのではなく,撲滅しようとしたが結局新たな型のポリオウイルスが増えて感染が広まった,というのが事の詳細だとポリオウイルスの専門家の方が仰っていたらしいです.人の経歴を中途半端に把握して持ち上げるのは長い目で見ればヘンに持ち上げられた本人にも迷惑でしょう.尾身さんとは関係ありませんが,野口英世が千円札の肖像画の人物に選ばれているなどは恥ずかしいことです.また,一般的に言って評価が定まらない時から人を過剰に持ち上げるのは禁物の筈です.尾身さんには素人向けPR,脇田先生には玄人向け対応という役割があるのですから,それに応じた役割,例えば質問に正面から答えられない菅首相のサポートなど,そういう面を担っていただくのを期待するべきです.

 

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楕円曲線を扱っている生物学について調べたら,こういう研究がありました.

 

https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/handle/2433/141023

 

多様性fが二次無理数なら自己相似的(擬周期的?),有理数なら周期的なパターンになるとのことですが,私の写像の話を読んでピンと来る方もおられるかも知れません.これも面白いですね.