アニメ映画『Fate/Grand Order －冠位時間神殿ソロモン－』を観ました．夏休みだからか平日の昼間ながら若い男女が大勢観に来ていました．ゲームをやっていないと謎の人物が大量に出て来る形になりましたが，ナイチンゲールがバーサーカーになっているのには吹きました．医療衛生学と統計学でゴリ押しするタイプですかね．科学だけでなく政治的な剛腕ぶりも凄まじいです．ギルガメッシュもちょい役で重要な役割を担いました．
今回は旧約聖書の列王記や偽典に登場するソロモン王のお話でした．ほとんど戦闘シーンでしたね．偽典に登場するソロモンの指輪には動物の話が分かるという力がありますが，動物行動学者のコンラート・ローレンツは指環が無くても少しは動物の心が分かるということを著書『ソロモンの指環』に託しています．ローレンツは刷り込みの研究でカール・フォン・フリッシュやニコ・ティンバーゲンと共にノーベル生理学・医学賞を受賞しますが，「種の維持」論の傾向は後の動物行動学者たちの批判を受けることになります．また，戦時中のナチへの支援が問題として挙げられることにもなりました．ソロモン王と同じく，功罪両方とも取り沙汰される人物でした．
