イデ隊員

ウルトラマン』でイデ隊員役を務めた二瓶正也さんが亡くなられたそうです.

 

https://mainichi.jp/articles/20210824/k00/00m/040/358000c

 

ウルトラマン』に登場する科特隊のメンバーを演じる役者さんはどの方も個性的で良かったのですが,メンバーのボケ役と優秀な技術者役の両方の側面を兼ね備えたイデ隊員はその中でも特に印象が残りました.『ウルトラマン』のTVシリーズの一部はその後の映画にも度々流用されたのですが,TVシリーズの第20話を元にした1989年公開の『ウルトラマン 恐怖のルート87』ではイデ隊員のボケ役や,魂や呪いの話をするハヤタとアラシを一喝するムラマツキャップのキャップたる所以,それに最後のネタ落ちが秀逸でした.ストーリーは伊豆シャボテン公園の荒原竜そっくりの怪獣ヒドラが伊豆の大室山から現れてルート87という架空の国道で自動車を襲い,それがトラックに轢き逃げされた少年の無念を晴らす為らしいということで始まり,その他にも『ウルトラマン』シリーズの話の色々な転換点になったらしいです.

 

https://blog.goo.ne.jp/get_better4u/e/0bbc0d5471ef62cf7ee772875f84da66

 

ヒドラは元々はギリシア神話の竜というよりは水蛇のヒュドラーのことで,巨大な胴体に9つの首を持ち,8つの首は倒せても1つの傷口からさらに2本の首が生え,残る1つの首は不死でした.また,猛毒を持っていました.ヘーラクレースは甥のイオラーオスと共に首の傷口を松明で焼き,不死の首は巨岩の下敷きにしました.ヘーラクレースはヒュドラーの猛毒を鏃に塗ってその後の功業に役立てましたが,その猛毒は後にヘーラクレースを自死に追いやる原因となります.刺胞動物ヒドラは実際に淡水に生息しますが,名前の由来の伝説とは違って可愛いですね.

 

87という数字はウルトラマンシリーズではゾフィーのM87光線に登場し,ガンダムではU.C.0087として『機動戦士Zガンダム』のグリプス戦役が起こった年になります.