放送大学雑感

先日の南方熊楠についての英語のブログ

 

https://shunadachi.hatenablog.com/entry/2023/05/05/001845

 

の12年近く前に,遺伝研に着任した時の研究についての雑感をブログにしていた.

 

https://researchmap.jp/blogs/blog_entries/view/78537/9d56973bb8a2a7a643f1190d49b3402a?frame_id=437255

 

その後はいろいろ進展があって得られたデータの進化生態学的な一部は論文にしたが,核心である「種」についてはまだpublish出来ていない.更なる精進が必要だ.この時のブログでは「原生生物」という分類群があるが,五界説も今では高校の図録に載っている程度で学術的には受け入れられていない.真正細菌古細菌,真核生物というドメインはいいが,真核生物の下位分類はこの10年で大きく様変わりし,光合成をしないアモルフェアと光合成をするディアフォレティケス,それ以外の雑多な生物群など,動物と植物に生物を分けていた時代にまた回帰して来ている.生物の分類は日々刻々と変わって来て定まらないので,専門家以外は細かい所まで覚えている必要はない.高次分類群などは特にそうである.因みに変形菌と細胞性粘菌も今ではアメーボゾアの中のエヴォセアの中の動菌類という,比較的近縁な分類に分類しなおされている.

 

2023年5月5日にも発生した能登群発地震では,沈み込んでいる太平洋プレートから上昇してきた水分が原因となっているという説がある.この辺りの話は昨年度第2学期に受講した放送大学の「地球と環境の探究」という授業でも相平衡の計算と地質温度圧力計のデータを元に地史的なメカニズムを推定させられた.その部分は期末レポートにもしたので,ちょうどタイムリーな話題だった.また,今学期に受講している「環境を可視化する技術と応用」では,陸域観測技術衛星の「だいち4号」の話題がメインで紹介されている回があったが,そこに「だいち3号」も出てきた.これらの衛星に使われている技術に期待感を持たせる内容だったが,「だいち3号」は2023年3月7日のH3ロケット打ち上げ失敗でお亡くなりになった.講師の方はさぞがっかりされたことだろう.放送大学の情報系の授業は内容が古いという話があるようだが,私が学部生の頃は大学では情報系の授業がまともな数で開講されていなかったので,全部独学で学んだ為に古い授業がどうなのかは分からない.放送大学の環境系の授業は,上で述べたように比較的タイムリーな内容を述べていて古い訳ではないと思う.