The Hunger Games

映画シリーズ “The Hunger Games”, “The Hunger Games: Catching Fire”, “The Hunger Games: Mockingjay – Part 1”, “The Hunger Games: Mockingjay – Part 2” を見ました.近未来を舞台に,階層化した社会を支配する独裁者が民衆のガス抜きに使用していた各行政区代表の人間同士の殺し合いのゲーム ‘The Hunger Games’ を中心に,その独裁体制がひっくり返るまでのお話でした.それだけを聞くとB級映画のような印象を受けますが,メインのテーマは「作られた英雄像」であり,それを利用した扇動と頑なな思い込みの広まりが世界を跋扈します.心理描写が巧みなストーリーでした.独裁者のスノーは複雑な役で,主人公のカットニスに対しては「お互いに嘘は抜きで行こう」と言ってそれを本当に実行していたり,最期にカットニスに苦渋の決断を強いると共に自らの道連れも作ることに成功して勝ち誇るシーンが印象的でした.結局,カットニスが最も守りたかった人を殺したのはスノーではなかったのでした.ヘイミッチも印象的な役で,ラスト直前にはカットニスとツーカーの仲だけで出来る目だけのコミュニケーションをしていました.この映画の評価と同様に,筋書きだけのものと実際のディーテール込みのものでは全く印象が異なり,そこが情報操作の対象となることもメタに表していました.