2019-nCoV #4

NHKのニュースで新型コロナウイルスの致死率は若年者では季節性インフルエンザより低いのであまり心配しなくてもいいとのコメントがありましたが,それはおそらく誤りです.前者は全体での数字ですが2%くらい,後者は0.1%のオーダーなので桁が一つ違います.仮に感染した場合,SARSよりはマシですが季節性インフルエンザよりは明らかに危険です.インフルエンザとの大きな違いは,インフルエンザは上気道までに留まるのに対し,最近のコロナウイルスと同じく下気道にまで感染して重症化することも考えられます.それぞれに相似点と相違点があります.あまり恐れ過ぎる必要はありませんが,危険度の過小評価もダメです.正確な情報提供をしないと科学的議論は成り立ちません.

 

Twitterだと自分たちの政治的優位性を主張する為に元々の議論とは異なる極論に話を摺り替えたり,都合の悪いコメントはスルーして情報の拡散を防ぎ,ほとぼりが冷めるのを待つ戦略が蔓延しています.しかし,そういう状況を現実世界にもどんどん拡張してはダメで,たとえしばらくの間,相手に理解されなくても,正確な情報提供に務めるのが先行きの不透明な場合は鉄則になります.