確からしさと表現

京都大学長の山極壽一先生が新型コロナウイルスに関して,毎日新聞のシリーズ・疫病と人間に寄稿されていました.

 

https://mainichi.jp/articles/20200428/ddm/010/040/014000c

(全文は有料)

 

内容自体もさることながら,ある推測の確からしさがどの程度のものなのか,専門外のことも含まれていてもそれを正確に考慮して言葉の表現に反映される姿勢に感銘を受けました.Twitterなどでは全くのデマや勝手な憶測が変なパターン認識により学習されて話が奇妙な方向に流れがちですが,きちんとした学術的発言をしているかはこういう文章の表現の端々にも間接的に現れてくるので,ちょっとした指標の一つになります.最近は営業をやっているビジネスマンのような「研究者」が多くて,こういうスラスラと出て来ているようには思えても実は注意深い発言をしている方が少ないので,とても安心出来ます.こういった表現が出来るような訓練は高等教育の端から為されている筈なのですが,最近は教える側にもあやしい人が多いので何だかな,という気持ちです.