COVID-19雑感

東京都でのSARS-CoV-2のPCR新規陽性者数が3000人を超えたとのことですが,友達とは2週間ほど前に2000人は当然で,3000-4000くらいには行くんじゃないかと話していたので,まだ驚くべき段階ではありません.陽性者数が減る大きな要素がまだ実現していないので,このまましばらくは増え続けると思います.

 

南海キャンディーズしずちゃんが今年1月に続き,2回目のSARS-CoV-2感染らしいとのことです.

https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000223896.html

運が悪かったので仕方がないでしょうが,これもどうも非常に運が悪いというよりは最初の感染から6ヶ月経って免疫能が低下していたのが感染リスクの上昇に繋がったと解釈した方が自然かも知れませんね.元々,従来型コロナウイルスの免疫は1年ほどで無くなることが知られていますが,抗体価のデータやイスラエルのデータなどを加味すると今回の新型コロナウイルスでは1年どころか半年も経てば免疫の感染予防効果は落ちてしまうと考えた方がいいかも知れません.ワクチン免疫はこの場合とは勿論別で,感染予防効果はさておき重症予防効果は半年後でもまだあるようですが,それが1年以上持続するという証拠はどこにも無いので,楽観視するのは危険でしょう.

 

今までワクチンの効果を過剰に宣伝して来たように思える人が段々単に変な人の変な意見を自分の意見のソースとして提示するようになって来ましたが,ワクチンを接種さえすれば薔薇色の未来が待っていると言うのはイスラエルなりアメリカなりオランダなりのニュースをWebでちょっと検索すれば疑問視されるような状況に今はなっています.その一方でイギリスでPCR新規陽性者数がまた急激に減少しているのはワクチン動態と関係があるようには見えませんが,今後もこの状況が続けば不可解な状況になると思います.原因が分からないからではなく,原因の候補がありすぎるからです.

 

あと,抗体カクテル療法の話ですが,これは原理的には重症化した人に対しては効果がなく,また経口薬では無いために入院した人にしか適用出来ないために,入院している中等症化した患者さん限定の用法のものです.アメリカのトランプ前大統領が使用したものですが,菅首相が「重症化を7割防ぐ治療薬を確保した」と発言するのには違和感がある類のものです.「治療薬」と言う言葉は間違いでは無いですが,普通は誤解を避ける為に「抗体カクテル療法」と表現する筈です.HIVに対する薬のカクテルは抗体のような免疫療法に近いものではなく本当にウイルス自体に作用する薬をカクテルにして使うもので,抗体カクテル療法とは異なり汎用性があります.そこら辺も誤解を招きやすい点です.