SARS-CoV-2のPCR検査陽性者へのPzDomモデルの適用

2020/3/12から2020/5/3までのSARS-CoV-2のPCR検査陽性者の日毎の増加数に関して,(細胞性粘菌の群集動態に関して)今査読中のPzDomモデルを適用すればどうなるかを少しずつ試して行きます.今回は複素計量sの実部,Re(s)に関してです.Re(s)は2以上なら非ガウス的な爆発的増加,1-2の間ならガウス的な揺らぎの範疇で(増加数の)増加傾向(加速的かどうか),0-1の間ならガウス的な揺らぎの範疇で減少傾向にあると解釈されます.詳しくは

 

https://arxiv.org/abs/1603.00959

 

をご覧下さい.発症者の増加でなくPCR検査陽性者の増加数を見ている為,生物学的ダイナミクスに人間側のPCR検査体制によるバイアスが掛かり,検査機関の一週間を通した都合の効果を省く為に移動平均を取っている訳でもなく,また検査数のカウントが重複している為にマイナスの値が計上されている時もNaNとして評価している粗っぽい解析であることは予めご了承下さい.

 

以下が結果になります.先ずは全国レベルでの時系列プロット.

 

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分かりにくいですが,3/22辺りまではあまり顕著な増加傾向が見られなかったのが,3/22以降はRe(s)が1から1.5くらいになって急激に増加傾向に転じる都道府県が多く,かなり抑えられてはいるものの散発的な爆発的増加の傾向もあったように見受けられます.5/1以降はRe(s)がさらに高くなっているようにも見られますが,そうなってからまだ日が浅いのではっきりしません.

 

地方ごとに個別に見た都道府県で,まだ危なそうな都道府県を(1),心配が無くなってきた都道府県を(2)にグループ分けしました.縦軸のスケールの違いに注意して下さい.Re(s)は傾向の把握の為の指標で絶対数を反映しておらず,増加数0やマイナスのNaNは0で評価されているので,既に感染者増加数が少なく0と0より大きい値をシャトルしているようなケースはほとんど大丈夫です.そろそろ都道府県毎に現地の実情に合わせた対策を取った方が良さそうです.

 

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絶対数を反映する指標は随時計算して行きます.査読を経たモデルではないのでいろいろ問題があることはご了承下さい.