フランス・ロマン主義

Alexis-Charles-Henri Clérel de Tocquevilleはフランス・ロマン主義の著名な思想家ですが,以前に触れたことがあります.

 

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高山裕二『トクヴィルの憂鬱』(白水社)を読んで久しぶりにトクヴィルのひととなりに触れたのですが,トクヴィルの言葉はその一言一句に到るまで本質を捉えているので飽きないですね.

 

この国であらゆる物事を考察して生活すればするほど,人間がこの世で得られる確実さはわずかであるのを知り恐ろしくなります.……この世の事物はすべて,オペラの書割の一部のようにしかわれわれには見えず,輪郭を正確に把握するのを妨げるヴェールを通してしか見えません.この永遠の薄明のなかを生きるのを楽しむ人々がいます.私はといえば,それに悩み絶望させられます.私はペンを握り,懐疑に苛まれながらも,政治的・精神的な真理を手にしたいのです.

 

や,

 

長期的に見れば,デモクラシーは人間の外部にあるものすべてから想像力を引き離し,これを人間にだけ縛りつけると私は確信する.民主的国民は一時自然を考察して十分に楽しむことができる.しかし実際のところかれらの心を動かすのは,自分自身を見ることだけなのだ.

 

など,野心や虚栄心に満ちているという意味ではロマン主義の時代と共通する側面もある現代社会の “I, Me, Mine” な風潮をよく表しています.合理的な理由で建設的に相手を批判することは良いですが,その一方で自分がマウンティングする為でしか意味を為さないような単なる罵倒やボヤキで満ち溢れるのは今も昔も変わらずどうかしていますね.

 

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