ICLの計算

ICLのWebサイトで,新型コロナウイルスPCR検査が感染収束に限定的な貢献しかしないと指摘したレポートを出しているそうです.

 

https://www.imperial.ac.uk/media/imperial-college/medicine/mrc-gida/2020-04-23-COVID19-Report-16.pdf

 

このモデルでそもそも様々な形で存在し得る社会的影響はどう加味しているの?などの疑問はさておき, “These plots assume PCR test sensitivity is 90% during days 3-21 of infection” 辺りで根拠がよく分からないのでやる気を無くすのですが,一番問題なのはreproduction number Rが感染伝播の割合の積分内部の式の分母に使われている点だと思います.日本では西浦先生がR0を事後に必ず上方修正していることなどからも分かるように推定の難しい数値で,基本的にブレるので,それをモデルの大元に組み込んで見せかけ上どこの国のデータなのか分からない程綺麗な曲線を描かせてモデリングしているのは非常に信頼出来ないと個人的には思います.再生産数はモデル上や今後の推測には重要ですが,実用上はかなり問題があるのではないかと思っています.分からなければ発表しないというのも手だと思います.