累積感染者数の推測

2020/3/12から2020/5/3までのSARS-CoV-2のPCR検査陽性者の日毎の増加数に基づき,(細胞性粘菌の群集動態に関して)今査読中のPzDomモデルを適用すればどうなるかを少しずつ試して行きます.今回は複素計量sの虚部,Im(s)に関してです.詳しくは

 

https://arxiv.org/abs/1603.00959

 

をご覧下さい.ただし,オリジナルのIm(s)とは異なり,Im(s) = exp(Re(s)E(N)/b)のexpの乗数の部分を47都道府県に分けて考えていることを考慮して47で割り,出てきた各都道府県の寄与分を47都道府県分足し合わせたのち,これにPCR検査陽性者増加数を掛け合わせて累積感染者数の推測値としています(かなり粗っぽい).時系列各点での推測には個々の点でのデータ分布しか考慮されていない為,下に示すようにPCR陽性者増加数そのものに引き摺られた推測になり,ピークアウトした後の値はあまり意味がありません.また,ピークを越えてくれないと真面な予測になりません.この方法だと最悪4万5千人くらいの感染者が累積で確認されるようですが(図それぞれのスケールが異なることに注意して下さい),実際の感染者数は勿論把握出来ない部分があるのでもっと多くなると思います.

 

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物理系の方のプロットにはPCR検査数を増やしてCOVID-19死者数が減るという相関が国別データで見られないというものもありますが,感染者数が多い国は当然PCR検査数も多いのと同時に死者数も多くなるので,そういう表層的なプロットでは何も言えないと思います.数学的に扱いやすい状況に持ち込むことが先ず大切です.また,日本の場合は死者数の絶対値が小さすぎて解析には向いていないと思います.