【追追記あり】ゴジラ S.P <シンギュラポイント> #9

ゴジラ S.P <シンギュラポイント>の9話を観た.破局という未来が確定しているとのことだけれど,未来は確定出来るものでしたっけ.ラプラスの悪魔がまた復活したのだろうか.

 

ベディヴィア卿が1500年間彷徨い続けて悔い改めていたという話がありましたが,ブルガーコフの『巨匠とマルガリータ』は,ポンティウス・ピラトゥスが愛犬と共に2000年間悔い改めていた話でした.それを巨匠とマルガリータがサタンの力を借りて遂に解放し,ヨシュアの元に送ると共に,自分たちは永遠の安らぎを手に入れますが,それは神ではなく悪魔の手を借りたものでした.巨匠とマルガリータキリスト教の教えに背いていることは,悪魔の大舞踏会の描写などでしっかりと暗示されています.だから残念ながら,巨匠とマルガリータが得たのは天国での生活ではなく,永遠の隠れ家の中での安らぎでした.この神と悪魔との関係はキリスト教的世界観の行き着いた先での一つの価値観ですが,『巨匠とマルガリータ』にはFGO的描写の原型も含めてそれが論理的にしっかりと織り込まれています.20世紀最高のロシア文学でしょうね.

 

【追記】『巨匠とマルガリータ』に関わる音楽と言えば,定番はこれですね.


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【追追記】『巨匠とマルガリータ』の紹介ビデオを見つけました.


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