デカメロン

ジョヴァンニ・ボッカッチョデカメロン』について文章2つを書いてみました.

 

ノヴェッラのテーマ

女性たちのための愉しみの文学の擁護と,批判への反論,恋愛が不幸な終わりをつげた人々について,残酷な,または不幸な事件のあとで,幸福になる恋人について,自分でたいへん切望したものを努力して手に入れた人,または一度失ったものを取り戻した人についてなど.

 

神曲』と『デカメロン』の比較

人間性の解放を謳い,「死」がその始まりとなり救済・幸福に至る中世喜劇的な旅をするという点では共通だが,『デカメロン』は世俗的な散文のもと此岸で現実の旅を,『神曲』は思索的な韻文のもと彼岸で内省的な旅をしている.また,前者は前置きがあり現実的で,後者は前置きはなくアレゴリーに富む.