K値

K値というものが話題になっています.

 

https://doi.org/10.1101/2020.04.25.20080200

 

K(t) = 1-1/R(t)

 

で定義されるそうですが,Brauer et al. (Eds.) Mathematical Epidemiology (Springer) のp. 55にこれとそっくりの式が出て来ます.

 

p > 1-1/R0

 

不等号を等号に変え,K -> p, R -> R0に読み替えればいいだけで,この場合のpは単位時間当たり新たに免疫を獲得する人の割合のことです.これがK値の正体でしょう.感染者が線形に増え,免疫獲得者の割合も線形で増えれば単に線形増加の近似をしているだけのことで,何も不思議はありません.これが何の予測になるのかはよく分かりません.既知の情報は既知の情報として取り扱った方がいいと思います.