菅総裁就任に対する所感

自民党の総裁に菅義偉が選出されたということで,小泉+α,安倍のこの20年間の流れ(そもそも民主党時代すらあるなどいろいろな違いがあるのは自明なので大雑把ではあるが)に少なくとも今後一年は変わりはないことになり,暗澹たる秋の夜長である.そもそも安倍は発言に「前例のない」「躊躇なく」「きめ細やかな」「スピード感を持って」などの,どういう状況に対しても無理矢理修飾語として持って来たら何とでも言える,情報の無い発言しかしていなかった.菅も語彙は違うが,会見上は意味のある発言をほとんどしていない.安倍内閣のやったことと言えばただの金融緩和だけで後は何もしていないか状況をさらに悪くしているので,そんな内閣に対して何故ここまで支持が集まり,その方針が今後もまだ続いていくのか分からない.トップが何も分かっていないのに内容の無いことを偉そうに喋って威圧感を演出しているだけだと,末端までそれがさも適切なことであるかのように浸透してどうにもならなくなる(私だけの意見では無い).SNSなど飲み会でクダを巻いている程度のいい加減な発言の温床である.旧世紀の遺物で今はどこもそんなワクチンの作り方はしていない(モダンなワクチンでは無いということ)というプロジェクトに何億もお金がおり,ほとんど皆おかしいと思っているのに誰もその状況を変えられないというように,価値判断の体系が改良されないどころか退化すらして来ている.アカデミアに20年居てその凋落をずっと肌で感じて来たので,先ず国のトップに合理的で真面な人を抱かないともうどうしようも無いことは分かっている.起死回生には少なくとも凋落と同じくらいの期間は必要なのだから,いい加減にして欲しい.