【追記あり】機動戦士ガンダムUC,機動戦士ガンダムNT

アニメシリーズの『機動戦士ガンダム UC』とアニメ映画の『機動戦士ガンダムNT』を見ました.ユニコーンガンダムが出て来る前者はフランスのタペストリー『貴婦人と一角獣』をモチーフにしていることで,2013年に開かれた展覧会『貴婦人と一角獣展』の図録にも登場しました.原作の福井晴敏の小説は2007-2009年に発表され,OVAが2010-2014年,TVシリーズが2016年に発表されています.その外伝的エピソードの『機動戦士ガンダムNT』は2018年に発表されています.作品は富野ガンダムオールスターズみたいで,現代アニメ的な絵作りになっていながらもシチュエーションや台詞回し,言葉少なに登場する多数のモビルスーツまで富野ガンダムへのオマージュになっていました.フル・フロンタルの台詞は全てギャグに聞こえますし,名前からして既にギャグになっていました.「男の一生は闘いだ」という台詞があって,そういうなら女の一生も闘いだろう,と思ったらそれを体現する女性も現れて,富野ガンダムの流れを上手く受け継いでいました.宇宙世紀もののガンダムはその後『閃光のハサウェイ』の話に繋がりますが,そのさらに後の『機動戦士ガンダムF90』や『機動戦士ガンダムF91』はシーブックなどの世代になって流れが変わって来るので,アムロガンダムに搭乗して始まった流れは『閃光のハサウェイ』で一旦終了したとみて良いでしょう.富野由悠季自身が1989-1990年に小説として発表して現在第一部が映画として公開中の『閃光のハサウェイ』にあるように,テロリスト化したガンダム地球連邦軍に敗れ,オトナの都合でニュータイプが抑圧され処刑される所まで含めてガンダムです.

 

【追記】図書館に行く用事があったので早朝ガンダム閃光のハサウェイ』を観てきたのですが,ロボットアニメもかなり現代風になって来ました.『閃光のハサウェイ』というタイトルの通りに光の演出が重視され,また植物監察官候補ということで植物もアニメにしてはよく描き分けられていました.『蟲師』を上回る描写で,時代も進んだと思いました.アニメは迫力では実写に押され気味ですが,今回の映画は動きや構図,SEで実写に負けない演出をしていました.建物の描写も現代の欧米の建築の発展系で大分お洒落ですし,その一方で本や紙の地図など電子機器でないアナログなものがわざと使われているのも良かったです.モビルスーツと人間ドラマだけを見る作品では既に無くなっています.今後に期待です.