【追記あり】鎌倉殿の13人#24

今週の『鎌倉殿の13人』では,範頼と大姫が中心になっていた.誠意の伝わらない範頼,想いの伝わらない大姫に関する悲劇だった.しかし,裏の主人公は三浦義村だった.八重のことといい大姫のことといい,飄々と生きていたいだけの義村にも段々と因縁の魔の手が絡まって来ている.和田義盛に関するエピソードもあったが,それを今回に合わせて来るのは大分後の展開への伏線かも知れない.そもそも『釣りびと万歳』でも義村と義盛が対決するようで,番組外にまで伏線が溢れている.巴御前の行く末は心配だ.

 

大河ドラマは史実を元に構成するので大雑把な筋ではネタバレという概念がほとんどない.ただ史実を本当に何も知らなかった場合,今回のような大河ドラマは予定調和のような秩序はなく,まさに予測不能のドラマだと思う.現実世界でも予定調和を狙って合理的に行動することは将来への道筋の確度を少しは上げるが,大抵は合理性よりも面の皮の厚さや態度の大きさに基づく如何わしいカリスマの織りなす予測不能性の方がもっと大きな影響力を持つので,展開を予想するのは難しい.「事実は小説よりも奇なり」とはこのことで,生半可な構成のフィクションよりも事実の方が余程面白い.

 

追記あり比企尼役の草笛光子さんのインタビューが言い得て妙でした.三谷幸喜さんの作品は東京サンシャインボーイズの頃から楽しませてもらっていますが,本当に「有り得ないw」の連続で,それでいて落とし所もキチッと決められるのが魅力的です.

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