どうする家康#9

今週の『どうする家康』では最後にどう見ても戸隠神社の随神門としか見えない場所が出てきた.武田信玄は戸隠の寺院,神社,僧坊を破壊したそうだが,どういう関係が想定されているのだろうか.戸隠神社には武田晴信願状という数少ない信玄の真筆が残されているらしい.

 

奉納 戸隠山大権現神前 願状
右意趣者、先筮曰、来戊午之歳欲移居於信州、則十二郡可随吾存分哉否之占ト、舛之九三也、其辞昇虚邑無所疑、注曰、往必得也、又越後与甲州円融和同之事停止之、動甲戈可吉哉否之先ト、坤之卦也、斯文曰、君子攸往、先迷後得、主利安貞吉云云、由是今移居於信州、則当歳之内、一国不残卓錐之土、可帰予掌握、若越士動干戈者、任先筮坤卦之吉文、敵忽滅亡、得晴信勝利者必矣、粤孔方五十緡為当社修補、可奉供 権現宝前者也、仍如件、

維時永禄元年戊午八月如意日 源晴信(花押)敬白
  戸隠山中院 

 

戸隠神社には以前行ったので,その時の記録がこちら.

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『どうする家康』は毎回見ているけれど,話の展開が史実とそのドラマ上の展開から予測され得る範疇でしか動かないので,三谷作品とはまた違った印象になっている.ムロツヨシさん,松山ケンイチさん,イッセー尾形さん,大森南朋さん,松重豊さん,野村萬斎さんなど脇役陣の演技は良く,山田裕貴さんと杉野遥亮さんも若いのに頑張っていると思うが,脚本にやや難があるのではないかと思う.話の筋上は鳥居忠吉が話の展開を全て予測する,有能な歯抜けの役をしているのは分かるが,物語上の展開でそれぞれが何をやっているのか分からない事象もまま見受けられる.これからに期待したい.