入院患者数を用いた解析は,全国のデータが揃う期間が短いのでしないことにしました.代わりに最近のデータを追加し,2020/3/12から2020/5/7までのSARS-CoV-2のPCR検査陽性者の日毎の増加数に関して,(細胞性粘菌の群集動態に関して)今査読中のPzDomモデルを適用すればどうなるかを少しずつ試して行きます.今回は複素計量sの実部,Re(s)に関してです.Re(s)は2以上なら非ガウス的な爆発的増加,1-2の間ならガウス的な揺らぎの範疇で(増加数の)増加傾向(加速的かどうか),0-1の間ならガウス的な揺らぎの範疇で減少傾向にあると解釈されます.詳しくは
https://arxiv.org/abs/1603.00959
をご覧下さい.発症者の増加でなくPCR検査陽性者の増加数を見ている為,生物学的ダイナミクスに人間側のPCR検査体制によるバイアスが掛かり,検査機関の一週間を通した都合の効果を省く為に移動平均を取っている訳でもなく,また検査数のカウントが重複している為にマイナスの値が計上されている時もNaNとして評価している粗っぽい解析であることは予めご了承下さい.
以下が結果になります.先ずは全国レベルでの時系列プロット.
分かりにくいですが,3/22辺りまではあまり顕著な増加傾向が見られなかったのが,3/22以降はRe(s)が1から1.5くらいになって急激に増加傾向に転じる都道府県が多く,かなり抑えられてはいるものの散発的な爆発的増加の傾向もあったように見受けられます.5/4を境に劇的に状況が改善されていますが,理由は分かりません.
Re(s)は傾向の把握の為の指標で絶対数を反映しておらず,増加数0やマイナスのNaNは0で評価されているので,既に感染者増加数が少なく0と0より大きい値をシャトルしているようなケースはほとんど大丈夫です.都道府県毎に現地の実情に合わせた対策を取った方が良さそうです.
地方ごとでは,先ず北海道と東北.北海道はダメで,福島は注意が必要ですが,その他は大丈夫そうです.
関東では,東京・神奈川・埼玉・千葉がダメです.
中部では愛知・石川・富山がダメです.
近畿では大阪・兵庫・京都がダメで,奈良は注意が必要そうです.(【修正】京都のデータが兵庫のデータに重なって見えなくなっていたのを認識しました.)
中国・四国では広島に注意.
九州・沖縄では福岡・佐賀に注意です.
以後,同じ解析を拡張して行きます.