イスラエルでのワクチンの効果の低下

イスラエルで,SARS-CoV-2のワクチンを接種していても感染が広がるケースが増えているそうです.

 

https://www.timesofisrael.com/officials-to-weigh-reimposing-some-virus-restrictions-as-delta-variant-spreads/

 

 

重症化予防効果はそのままでも,感染予防効果が6月以降は従来の95%から64%まで低下しているという話もあります.

 

https://nordot.app/784948359554891776

 

記事ではデルタ株の影響としていますが,どうなんでしょうね.デルタ株先進国のイギリスでは有効性は5月で88%との話もありますが,この頃はイギリスにデルタ株は既にかなりの割合で入っていたので,イギリスの方が有効性が高いという理由にはなりません.

 

https://news.yahoo.co.jp/articles/93ba5a2ca4de2c498d04bbccd41e83167720f474

 

イギリスよりもイスラエルの方がワクチン接種は早かったので,そろそろワクチン免疫が低下してきたのでしょうか.後3ヶ月くらいは持つかも知れなかったのですが,その可能性をそろそろ検討するべき時期に来ているのかも知れません.ただ,他にも消去法でワクチン免疫の低下の可能性を類推する方向性の議論は出来ますが,上記のものも含めトリッキーなので,あまり大々的に喧伝するべきではないと思います.ワクチン免疫が長期間続くという,ウイルス学の過去の知見と食い違う主張は今まで散々喧伝されて来ましたが,ファイザーのCEOやファウチさんやWHOの表明もあって,流石に少し下火にはなって来ました.原著論文を示しても聞かない人たちですので,あまり真っ向から議論しても今はまだ無駄のような気がしますが,イスラエルやイギリスの状況は注視していかなければならないでしょう.変異株で有効性が下がるのと免疫自体が長期間持続しないので有効性が下がるのは大分異なる事象で対策も異なり,適切な対処にはまず原因を明らかにする必要があります.おそらくその両方に対処しなければならない気はしますが.