20221022exPzDom

2022/10/22までのSARS-CoV-2のexPzDomによる解析をアップします.

 

今回のPCR新規陽性者数の指標値の計算結果では,全国レベルではthresholdもexpected sumsも値が上昇傾向に切り返しました.一方,今のところ先行指標のRe(s)の値もE(l)の値も停滞傾向です.まだ安定して増加傾向にある訳ではないと思います.ただ実効再生産数の方は全国的に少しずつ上がっているので,寒い冬の頃には大きな波が来るかも知れません.

 

今回のCOVID-19重症者数については,生データやthreshold,expected sumsに関しては値が減少傾向です.先行指標のRe(s)は緩減モードの地域がほとんどで値は停滞気味で,同じく先行指標のE(l)は値が停滞傾向です.縮小傾向は変わりませんが,その程度が小さくなって来ているようです.因みに,第7波のピークは低いように見えますが,東京都と大阪府は重症者の定義を途中で変えたので,時間軸上の比較は出来ません.死者数については前も述べたように第7波のピークが最も高いので,同じ基準なら重症者数の波も死者数の波と同様になる筈です.

 

第7波のような行動制限を伴わない対策は,その累積死者数と合わせて比較検討する必要があります.死亡者数のピークの高さから言えば,今までの波の中で当然最も高くなっています.累積死亡者数の概数が判明した後,この程度の死者数になっていいものか,社会的なコンセンサスは必要でしょう.

 

アメリカ合衆国ボストン大学からはSARS-CoV-2の武漢株にオミクロン株のSタンパク質を組み換えで入れたキメラ株を作成し,オミクロン株の感染では軽度の症状しか示さなかったマウスがキメラ株の感染により80%ほどの致死性を示したという報告がプレプリントで出ました.

 

https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2022.10.13.512134v1

 

そういう軍事転用が出来そうな研究は倫理的にどうかという意見が各所から上がっています.アメリカ合衆国は元々カルタヘナ条約にも批准せず,遺伝子組み換え実験に関してはほぼ無法に近い状態なのですが,今回のことでは流石に調査をするようです.技術的に可能だからと言って何をしてもいい訳ではありません.

 

PCR新規陽性者数








 

 

 

 

 

COVID-19重症者数