Everything Everywhere All at Once

“Everything Everywhere All at Once” という映画を観た.荒唐無稽な映画だが,これを観ていてNHKアニメの『雪の女王 〜THE SNOW QUEEN〜』に出て来る「愚か者」をその笑い声と共に思い出した.何時の世でも話をおかしくするのは「愚か者」である. 愚かなことに邁進するのではなく,常に自分が適切だったかを自問自答しながら,適宜軌道修正をして歩んで行きたい.

 

放送大学の講義「レジリエンスの諸相」の第2回には山極先生が出演されていた.動物の食物の分配は普通は親子間にしか見られないが,類人猿では成体間にも見られることが出て来た.ヒト亜族はチンパンジー亜族と700万年前に分かれて直立二足歩行をするので,両手がフリーになったことでさらに分配活動を促進させたのではないかという話も出て来た.250万年前に始まったとされるオルドワン石器は,トゥルカナ湖西岸で発見された330万年前の石器とされるものを除けば最古の石器だが,その直後に出現したホモ・ハビリスの辺りから脳容量が急速に大きくなり始めたらしい.脳容量と集団のサイズには食料生産を始めるまでには相関があったらしいので,大きな脳は複雑な社会を示すらしい.ゴリラは家族群チンパンジーはコミュニティを形成するというように,類人猿はどちらか1つの社会様式しかとらないが,ヒトは家族と集団社会の両方の社会様式をとれ,身体よりも脳を優先したことにより増えた育児の負担をフレキシブルに軽減できるらしい.非常に筋の通った論理展開の話だった.