尾身茂先生がPCR検査を絞っているにも関わらず新規感染者が減少していると断定出来る理由について，「医師が必要と判断した場合および，濃厚接触者を中心にやってきたため，我々は感染の実態の一部しか把握していないのは当然だ」としながら，検査件数が徐々に増えている中で、東京で感染者が倍加する時間（直近7日間）が4月1日で2.3日だったのが、5月1日には3.8日になるなど伸びていることを理由として挙げたそうです。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200501-00010017-huffpost-soci
本当にこの記事にあげた通り発言されたなら，それは問題です．COVID-19で感染能力を持つ無症状感染者の方々が多勢おられるのは周知の事実ですが，検査に引っ掛かりにくいその方々の感染ダイナミクスが症状の比較的重い方々を中心とした集団のダイナミクスと同じであるという根拠は無い筈です．2つの集団の間に比例関係など順序構造を保つ何らかの関係があるとは限らないからです．まだよく分からないところに勝手に仮定をしてはいけません．まだ感染者が減少傾向にあるとは断定出来ないと思われます．
