MefloquineとSARS-CoV-2

MefloquineがSARS-CoV-2の細胞感染において細胞に結合した後のエントリープロセスを阻害するので,抗SARS-CoV-2薬の候補になるのではないかと言う論文が出たようです.

 

https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fmicb.2021.651403/full

 

他のラボでも,この薬がプラークアッセイレベルで良く効くということが再現されているようです.認可薬のレムデシビルなんかはプラークアッセイレベルでは分からないがRT-PCRだと効くように見えないこともないとか,それはウイルスの増殖というよりも細胞そのものに効いているのではないかと言うレベルでした.今回の薬はそれらとは異なりはっきり効くことが分かるので,今後の薬剤スクリーニングのポジコンに使えるレベルだとのことです.課題はこれがin vitroでのデータであることで,臨床でも効果があるのかどうかはまだ分かりません.また,精神的な副作用など副作用も多いことが知られています.

 

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%83%95%E3%83%AD%E3%82%AD%E3%83%B3

 

臨床試験や,化学構造を変えるなどして活性を維持したまま副作用を抑えることが今後の興味でしょう.ただ,一つ取っ掛かりが掴めると,その後はそれ程苦労しなくても話が進みやすくなることは多いです.ワクチンもそうですが,薬の開発も頑張って欲しいものです.後,薬は対症療法だけが目的ではなく,予防薬など別の目的もあることが一部界隈の人には分かって欲しいものです.