【追記あり】20220122exPzDom

2022/01/22までのSARS-CoV-2のexPzDomによる解析をアップします.COVID-19重症者数のデータは22日分のデータが更新され次第追記します.

 

今回のPCR新規陽性者数の指標値の計算結果では生データから予測される通り,thresholdやexpected sumsの値はあっという間に第5波のピークのレベルを超えました.一方,実効再生産数の値は鈍化傾向にありますが,先行指標のRe(s)は値が停滞気味です.先行指標のE(l)の方は値がこれまでの波のピークレベルまでになっています.新規陽性者数のピークに達するのは近いかも知れませんが,まだ油断出来ません.

 

今回は感染のピークの到達までが早いという予測がありますが,それはウイルスの世代時間が短いのでそうなっているだけの可能性が高く,人間側のウイルス対策が上手く行っているということを必ずしも意味していません.ウイルスの感染が感染しやすい人の集団に行き渡ってしまえば,後はその集団の免疫能が落ちたりワクチンの効果が薄れたりするまでは新規感染者数は下火になります.そして免疫能が下がった頃合いにまた上昇し出すことの繰り返しで,現にそうなっているだけかも知れません.今後はピークアウトするのが早いだけではなく,次の波が来る頻度も高くなるかも知れません.ニンゲンがパンデミックを抑えた!ニンゲンすごい!という訳ではありません.

 

この所オミクロン株のCOVID-19重症化率が低いとの認識が為されることがありますが,まだ若年層で感染が広まっていることやワクチン接種者の重症化予防効果の継続などそれに関与する因子はいろいろありますので,それらを加味して対象集団を絞り込んだ解析をしないといけない筈です.元々の重症化率は今までの株とあまり変わらないというイギリスのデータもあります.ワクチンを打たない/打てない人に対する影響もありますので,どんどん複雑化して行く対象に対して雑な解析を行うと誤った結論になりかねません.

 

また,過剰量のワクチンを何回も打つと,獣医学的な知見からは遺伝的素因のある対象に対して自己免疫疾患を誘発することもあります.ヒトでそういうデータがないのはそういう人体実験が出来ないからです.ワクチンを何回打っても大丈夫という人は,ヒトだけが哺乳類の中で特別だと考えられる根拠を同時に示すことが求められます.COVID-19対策はまだ同じことの繰り返しの中にいるだけのようですね.

 

【追記】COVID-19重症者数の方は生データやthreshold,expected sumsに関しては値が急上昇して第1波から第3波のピークレベルにはなっています.先行指標のRe(s)は相転移のモードで,値が2を超える爆発的増加の地域が多く,他も全て緩増モードです.同じく先行指標のE(l)は過去最高のレベルまで上昇しています.こちらもPCR新規陽性者数と同じく,危険な兆候が続いています.

 

PCR新規陽性者数

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COVID-19重症者数

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