2022/04/16までのSARS-CoV-2のexPzDomによる解析をアップします．COVID-19重症者数のデータは16日分のデータが更新され次第追記します．
今回のPCR新規陽性者数の指標値の計算結果では全国レベルでは生データから予測される通り，thresholdやexpected sumsの値は高止まりかやや増加傾向です．実効再生産数の方もそうです．一方，先行指標のRe(s)の値は停滞気味かやや減少傾向で，先行指標のE(l)の方は値が減少しています．PCR新規陽性者数の絶対数としては過去のピークと比べてもかなり高レベルの状態だったので，仕方がないでしょう．今後は感染拡大が落ち着いて行くかも知れませんが，まだ様子を見る必要があるでしょう．沖縄県など，地方では感染拡大の度合いがまた大きくなっています．
2022年4月15日にはNHK BSPで『数学者は宇宙をつなげるか？』という番組の完全版が放送されました．それを録画しておいて，先ほど視聴しました．完全版の方が，「宇宙をつなげる」ということの意味がより分かりやすくなっていました．ただ，Twitter上には自分では明らかにソースを確認していないのにも関わらず，自分はこのことにも一家言あるという自己主張でもしたいのか，好き勝手に発言しようとする（物理）学者が何人もいます．望月さんとショルツェさんの議論が今どういう状態でpendingになっているのかということはネット上の情報だけからでもちょっと調べたらすぐ分かる状態なのに，明らかにそれを無視してこのことにも深い意見があるかのごとく装っていて，逆に無知であることを露呈しているのですね．（物理）という属性はこのことの本質には多分関係がなくて，単にTwitterで自己顕示したいだけの人なのでそうなっているのだと思いますが，雰囲気を非常に悪くしています．こういう人はこのことに限らず生物学でも医学でも似たようなソースの確認をせず，かつ非常に基本的なことすら理解していないにも限らず「一家言」を開陳したがります．謙虚な人というのはあまり発言しないので目立っていないだけかも知れませんが，謙虚で堅実な人というのは，最近はどこに行ったのですかね．分からなければ黙っていればいいだけの話だと思いますが．勿論，分からないことに疑問を呈するのは良いことで，それをここで取り上げている訳ではありません．ろくにチェックもせず又聞きだけで知ったかぶりをしていることが問題で，それにはいろいろな事象を越えた普遍性があります．
【追記】COVID-19重症者数の方は大阪府での重症者の定義が変わって人数がガクッと減ったことの影響が色濃く出ています．生データやthreshold，expected sumsに関しては第1波のピークレベルまで下がりました．先行指標のRe(s)は相転移して緩増モードと緩減モードの地域が混じる状態に沈静化し，爆発的増加はなくなりました．同じく先行指標のE(l)も一挙に下がりました．東京都や大阪府のように重症者の定義を変えるマジックで重症者の数が減るのは，あまり好ましいことではありません．どの定義がCOVID-19の動態をよりよく反映出来るかは様子を見ないと分かりませんが，各都道府県で定義がバラバラなのは，データ解析をしてもその解釈の信頼性が低いということです．定義の変更は，余程のことがない限り避けるべきです．ここは国レベルで統一しないと意味がないですね．
PCR新規陽性者数
COVID-19重症者数
