黄金のろば

アプレイウス『黄金のろば』について文章2つを書いてみました.

 

作中物語の一覧

(I)話者アリストメネスの友人ソクラテスが魔女メロエに殺害された話,(II) ミロの語る偽占い師ディオパネスの話,(III) 話者テリュプロン自身が死人の番をしている間に魔女に鼻や耳を削がれた話,(IV) 盗賊団の1人が仕事中に殺された首領や仲間たちの最期を語る話,(V) 盗賊団の世話をする老婆が囚われの身となった乙女カリテを慰めるべく聞かせる「アモルとプシュケの物語」,(VI) カリテの家の下男が語る話で,カリテの夫のトレポレムスが恋敵トラシュッルスに殺されてカリテが夫の仇としてトラシュッルスの眼を抉った後に自害したというもの,(VII) 不貞を犯した農場管理人と彼が受けた残虐な罰についての話,(VIII) 愚かな寝取られ男の話,(IX) 貪欲で非常なる金持ちに殺される3人の兄弟の話,(X) 継子に求愛して拒絶されたことから逆上し,継子を陥れようとする女の話,(XI) 見世物としてろばのルキウスと公衆の面前で情交することを強要される女囚が犯した毒殺についての話.

 

ろばに変身したルキウスの所有者の変遷

ろばに変身したことからミロの家の馬小屋に一晩は入ることを余儀なくされた.そしてそこに盗賊団が押し入り,アジトに連れて行かれた.カリテと脱出を試みるが失敗し,殺されかけるがトレポレムスに救われた.ルキウスは凶暴な男の子に委ねられるが男の子は雌熊に殺され,男の子の母親に殺されかけるがその奴隷が逃げる際に連れて行かれた.その後シュリア・デアの信徒に委ねられ,殺されかけるが粉屋に売られて奉公した.粉屋は妻に殺されて畑作人に売られ,畑作人は捕まってルキウスは兵士のものとなり,親切な兄弟に売られた.そこで賢いことが知られて見世物として売られ,女囚と公衆の面前で情交させられそうになるが逃げ出してイーシスの祭りで人間の姿に戻った.