放送大学雑感5

今日の放送大学の講義『環境を可視化する技術と応用』では,市民科学(シチズンサイエンス)が取り上げられた.話題のiNaturalist(スマホアプリでダウンロード可能で,カメラを用いた同定はSeek by iNaturalistをダウンロードすればできる)や,MIT Urban Risk Lab (RiskMap Japan) も紹介された.

 

iNaturalistは国際的な生物の観察記録の共有アプリで,ダウンロードすれば直ぐに現在地の近くでどんな生物が観察されたかが分かる.登録をすれば自分の記録もアップロードできる.

 

https://www.inaturalist.org/

 

RiskMap JapanはMITの情報集約システムを元に災害時の情報収集と共有のプラットフォームとしての役割が期待されている.

 

https://riskmap.mit.edu/japan.html

 

市民科学では研究者のみでは収集の難しい大量のデータを取得できるというメリットがある.一方,データの精度にバラツキがあり,そのままでは信頼できるデータなのかどうかが判断しにくい. 私も市民科学の手法に関する論文を何件か査読した経験がある.その中には受理されたものもされなかったものもあるが,用いられている手法の特徴を抑えた上でその効果を検証するバリデーションがきちんとなされていれば,概して有効で面白いものが多い.今後,学術的にも市民啓蒙の為にも市民科学はどんどん発達してくると思う.情報化社会の発展の1つの側面を見ているようである.