「単細胞生物である酵母を多細胞体に進化させた」と称する論文がNatureに出ています.
https://nazology.net/archives/126342
これは単に,酵母において普遍的に見られるflocculationという現象だと思われます. “yeast flocculation” で検索するといくらでも情報が出てきます.単細胞生物はいつでも単細胞として振る舞うのではなく,周りの環境に合わせて群体として振る舞うこともあります.バクテリアのバイオフィルムなどもその例です.
上記の論文ではflocculationの可能性を排除するのに群体がモノクローナルであることのみしかあげていません.そもそも,flocculationとはいえその場にいる酵母がランダムに凝集するのではなく,遺伝的近縁性を細胞表面の因子で認識して集まることはもう15年ほど前に報告されています.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19013280/
こんなことも知らずに論文を書いたり査読したりするのなんてあり得ません.Natureの「進化」の論文はこのようなものばかりなので,全く信用が出来ません.