フェミニズム批評

フェミニズム批評について短文7つを書いてみました.

 

ケイト・ミレット『性の政治学』での男性作家の性差別主義的描写の批判

法的な男女平等の実現,生物学的なセックスという概念に対する文化的なジェンダーの視点を取り込んだ社会的・文化的な性差別の撤廃への運動を経て構築主義的な立場から家父長制的イデオロギーを永続させる文化的な力を暴露した.

 

白や百合のシンボリズム

これらは処女性を現している.

 

John William Waterhouse, La Belle Dame Sans Merci (1893); John William Waterhouse, Hylas and Nymphs (1896); Frank Cadogan Cowper, La Belle Dame Sans Merci (1905) が表象するもの

女性が男性を誘惑して貶める者だとしている.

 

『ダーバヴィル家のテス』におけるレイプ神話とは何か

全ての女はレイプされたがっている,女にその気がないのにレイプされることは有り得ない,女の方から誘いをかけた,どうせレイプされるのなら抵抗せずに楽しめばいいなどの妄想.

 

ヴィクトリア朝の女性観とそこからの変遷

肉欲を超越した家庭の天使,戦闘でなく統治に向く,発明や創造ではなく秩序,整頓,決定に向く,そうでないものは魔女的であるという偏見で,現在の欧米ではだんだん弱まって来たが日本では今でも根強く残っている.

 

ギルマン「黄色い壁紙」の要約

家父長制的社会の中で作家を目指す女性主人公が不満を募らせ精神的に病気になり,海岸保養地に滞在する.一時的な神経性の憂鬱という診断,もしくは神経衰弱だったが,完全な安静を求められ,仕事を強制的に止められて夫に隠れて日記を描く.そのうちに壁紙の模様が動いて見え出し,模様の中に這いつくばる女性たちを救助する為に模様を剥がして自身も這いつくばった.

 

映画『めぐりあう時間たち(2002) でのヴァージニア・ウルフの描写

自殺未遂騒ぎを起こしたウルフは精神的な病の治療の為に夫と田舎に行って小説『ダロウェイ夫人』を書き出す.そして「ヒロインを殺す」展開を思いつくが,止めて詩人が死ぬことにして夫へ感謝を書き記し入水自殺する.