テクストと旅

「テクストと旅」について文章3つを書いてみました.

 

旅の意義の歴史

古代の旅はアイデンティティの探求,新天地の開拓などのためであり,中世の旅は自己実現や社会との関わりを探究するためである.現代の旅は閉塞した時代と偏狭な社会的拘束を逃れ,悠久の時間の中で忘我し,精神をあそばせることである.そこで永遠に触れることは自らを失うことでもあり,その「難破」が甘美となる.

 

古典作品が語り継がれる理由

前記の内容が全て現代人の感じる社会への違和感につながり,文学に触れることで社会からの解放感が味わえるから.

 

旅の「自己探究」としての役割

旅では自らを普段とは異なる環境に置くことでその環境因子の変異の持つ意味や,元々の環境の立ち位置を考察することができる.そして新たな環境の方が現在より理想的なら移動し,そうでなければ帰還する.こういったプロセスの繰り返しで自己実現を達成し,社会的な貢献を試みる.そしてしばしば,旅により閉塞的な環境からの解放感を自己忘却により味わって明日への糧とする.